
医薬品には使用期限
ある日、老人保健で通院中の腰の曲がったおばーちゃんが来院した。
受付の子に、2カ月ほど前にもらった使いかけのぬり薬を見せて
「これなんか古いで気持ち悪いで新しいのとかえてもらえんかね。」
と言う。
使用期限を見ればあと2年以上も先ではないか。
「あと2年は使えますよ。」
と言っても
「なんか気持ち悪いで新しいのくれんさらんか。」
と言う。しつこく
「このお薬は2ヶ月前にだしたばかりのお薬ですから、まだ使っていただいていいですよ。」
と言っても、納得しない。
結局、まわりの患者さんも待ち時間が長くなっていらいらしてきてるので、ひとりの患者さんにかかりきりにもできないので観念して希望の薬をだした。
だから私は言いたい。
高齢者保護のため医療費を定額にするという考えたかも悪くはない。
しかしこうして、もらった薬をろくに使わず新しい同じ薬を求める患者もいる。
もらったのみぐすりをのまずにゴミ箱へ直行という人もいる。
老人には1割なり2割なりかかったぶん、定率で払ってもらうべきだと思う。
老人がスーパーマーケットへいって
「あんたは老人やで1回530円でええわ。」
という店がどこにあろうか。
定額とはそういうことではないのか。
いくら買い物しても同じ金額ならたくさんもらってかえってしまうだろう。
老人が皆そういう人間だと言っているのではない。
ただ、なかには欲の深い人間がいてもらわにゃそんそんと考えてる人もいるってこと。
医療とスーパーマーケットといっしゃにするな、という意見もあるかもしれないが...。
老人保健定率はもう間近である。
医師会の考えはこの際私には関係なく、今の時代、老人保健の定率化は避けて通れないと思うのである。